2013年5月26日日曜日

「アメリカ経済は今後どうなるか?」(第6章)の誤植訂正

第6章 「アメリカ経済は今後どうなるか?」の誤植を訂正させていただきます。

  • (pp.181の後ろから2行目の小見出し)「家計支出の能力」⇒(訂正)家計が支出する能力
  • (pp.181の後ろから1行目)「家計支出の能力と~」⇒(訂正)家計が支出する能力
  • (pp.187の後ろから7行目の小見出し)「長期的な戦略を明確にする声明が発表される」⇒(訂正)金融政策の長期的な目標と戦略を明確にする声明が発表される」
  • (pp.192の前から4行目の小見出し)「財政課題が景気回復の妨げになってはいけない」⇒(訂正)財政の持続可能性の確保に向けた取り組みが景気回復の不必要な妨げとなってはならない
  • (pp.192の後ろから4行目)「堅調な景気回復が続けば、」⇒(訂正)というのも、堅調な景気回復が続けば、」
  • (pp.192の後ろから4行目)「政府債務の縮小につながることでしょう。また、」⇒(訂正)「政府債務の縮小につながるでしょうし、また、」
  • (pp.192の後ろから1行目)「足許の経済状況の改善が後押しされるかもしれません。」⇒(訂正)「足許の経済状況の改善が後押しされる可能性がある、と考えられるからです。」
  • (pp.193の後ろから2行目)「原註1 Board of Governors of the Federal Reserve System (2012), "Federal Reserve Issues FOMC Statement of Longer-Run Goals and Policy Strategy," press release, January 25. をご参照ください。」⇒(訂正)原註1 Board of Governors of the Federal Reserve System (2012), "Federal Reserve Issues FOMC Statement of Longer-Run Goals and Policy Strategy," press release, January 25.(本書第5章)をご参照ください。」

2013年5月25日土曜日

「金融政策の長期的な目標と戦略」(第5章)の誤植訂正

第5章 「金融政策の長期的な目標と戦略」の誤植を訂正させていただきます。

  • (pp.176の後ろから5行目)「昨年<2001年>の1月とほぼ変わらない水準です。」⇒(訂正)「昨年<2011年>の1月とほぼ変わらない水準です。」
  • (pp.177の後ろから2行目)「それぞれの縮小に向け」⇒(訂正)「それぞれの乖離の縮小に向けて

「中央銀行の独立性とは何か?」(第4章)の誤植訂正

第4章 「中央銀行の独立性とは何か?」の誤植を訂正させていただきます。

  • (pp.136の前から1行目の小見出し)「中央銀行の「独立性」が見直されつつある」⇒(訂正)中央銀行が保持する制度面での強み--「中央銀行の独立性」
  • (pp.140の後ろから5行目) 「通常、中央銀行は、より長期的には、低いインフレ率を維持することにコミットします。中央銀行は、常日頃より、「長期的に見てインフレが低い水準で安定するように努めます」との約束を行っています。」⇒(訂正)中央銀行は、常日頃より、「長期的に見てインフレが低い水準で安定するように努めます」との約束を行っています。
  • (pp.142の後ろから5行目の小見出し)「中央銀行の独立性は経験と歴史によって証明されてきた」⇒(訂正)「中央銀行の独立性の有用性は経験と歴史によって証明されてきた」
  • (pp.143の後ろから5行目)「独立性が民主主義に照らして正当化し得るためには、」⇒(訂正)中央銀行の独立性が民主主義の観点に照らして正当化されるためには、」
  • (pp.144の前から5行目)「金融政策の決定に関して、中央銀行に付与されている独立性が、」⇒(訂正)「金融政策の決定の面で中央銀行に付与されている独立性が、」
  • (pp.144の後ろから2行目)「銀行システムの規制および監督活動に取り組む上では、「中央銀行は同様の活動に従事している他の官庁と同等程度の独立性を享受すべき」ですし、「中央銀行は同じ活動に従事する他の機関と同程度の独立性を享受すべきだ」と考えられます。」⇒(訂正)銀行システムの規制および監督活動に取り組む上では、中央銀行は同じ活動に従事する他の機関と同程度の独立性を享受すべきだ、と考えられます。
  • (pp.146の後ろから5行目)「たとえば、システミック上、重要な企業が破綻した場合の救済方法に関して~」⇒(訂正)「たとえば、「システム上重要な企業」が破綻した場合の救済方法に関して~」
  • (pp.147の前から8行目)「ここにきて、伝統的な金融政策が限界に達してしまったことにより、近年、先進各国の中央銀行が、相次いで~」⇒(訂正)「ここにきて(「、」を削除)伝統的な金融政策が限界に達してしまったことにより、(「近年」を削除)先進各国の中央銀行が(「、」を削除)相次いで~」
  • (pp.148の後ろから3行目の小見出し)「中央銀行の独立性の歴史的進化」⇒(訂正)中央銀行が独立性を獲得するまでの歴史的な歩み
  • (pp.150の後ろから5行目)「ECB(欧州中央銀行)が設立されることになりました。その設立以前の時点で、中央銀行の独立性は極めて重要なものだと見なされていたのです。」⇒(訂正)「ECB(欧州中央銀行)が設立されることになりましたが、その設立以前の時点で、中央銀行の独立性は極めて重要なものだと見なされていました。」
  • (pp.153の前から3行目の小見出し)「FRBの重要性」⇒(訂正)「FRBの独立性の重要性」
  • (pp.156の後ろから4行目)「これら主要な経済指標の、長期的な収束値に関する~」⇒(訂正)これら主要な経済指標の(「、」を削除)長期的な収束値に関する~」
  • (pp.157の前から5行目)「たとえば、FRBのバランスシートの情報に加えて、金融市場に流動性を供給するために特別に設けられた方法に関する~」⇒(訂正)「たとえば、FRBのバランスシートの情報に加えて、金融市場に流動性を供給するために特別に設けられた方法(ファシリティー)に関する~」
  • (pp.158の前から5行目)「それは、今度もこれまでと同様に、「金融政策の決定が、短期的な視野に陥りがちな~」⇒(訂正)「それは、今後もこれまでと同様に、「金融政策の決定が、短期的な視野に陥りがちな~」
  • (pp.159の前から3行目)(原註1)「FRBが各国中央銀行(ECB、カナダ中央銀行、BOE、スイス銀行)との間でドル資金の融通をめぐる通貨スワップ協定を一時的に再締結」⇒(訂正)「FRBが各国中央銀行(ECB、カナダ中央銀行、BOE、スイス銀行)との間でドル資金の一時的な融通をめぐる通貨スワップ協定を再締結」
  • (pp.159の前から6行目)(原註1)「FRBが日本銀行との間でドル資金の融通をめぐる通貨スワップ協定を一時的に再締結」⇒(訂正)「FRBが日本銀行との間でドル資金の一時的な融通をめぐる通貨スワップ協定を再締結」

pp.146の訂正箇所で出てくる「システム上重要な企業」というのは、「Systemically Important Financial Institutions」のことで「SIFIs」と略されることもあります。経営破綻した場合に金融システムひいては実体経済に大きな悪影響を及ぼす可能性がある金融機関のことであり、「大きすぎて潰せない」(too big to fail)あるいは「関連しすぎていて潰せない」(too interconnected to fail)ような金融機関を指しています。
「システム上重要な企業」の問題については、バーナンキがつい先日行った以下の講演でも取り上げられています。

●Ben Bernanke, “Monitoring the Financial System”(At the 49th Annual Conference on Bank Structure and Competition sponsored by the Federal Reserve Bank of Chicago, Chicago, Illinois, May 10, 2013)

この講演では、「システム上重要な企業」は次のように特徴付けられています。
「システム上重要な金融機関(SIFIs)」とは、経営悪化や経営破綻が生じた場合に金融システムに対して広範な不安定性をもたらし、そのことを通じて実体経済に対して重大な損害を及ぼす可能性のある金融機関のことを指しています。SIFIsは概して規模が大きな傾向にありますが、ある企業がシステム上重要であるかどうかはその規模だけによって決まってくるわけではありません。金融システムと深いつながりをもっていたり、その業務内容が複雑で不透明であったりする企業もシステム上重要な企業と判断される可能性があります。また、リスクテイクの性質やその程度、レバレッジの程度、短期資金への依存度合い、国境を越えた取引にどれだけ関わっているか、などどいった要因もある企業がシステム上重要であるかどうかを判断する上で重要です。ドッド=フランク法(Dodd-Frank Act)では、大手銀行持株会社がSIFIsとして取り扱われています。さらに、同法では、金融安定監督協議会(Financial Stability Oversight Council;FSOC)に対してノンバンク金融会社をシステム上重要な企業として指定する権限が付与されてもいます。
SIFIs are financial firms whose distress or failure has the potential to create broader financial instability sufficient to inflict meaningful damage on the real economy. SIFIs tend to be large, but size is not the only factor used to determine whether a firm is systemically important; other factors include the firm's interconnectedness with the rest of the financial system, the complexity and opacity of its operations, the nature and extent of its risk-taking, its use of leverage, its reliance on short-term wholesale funding, and the extent of its cross-border operations. Under the Dodd-Frank Act, the largest bank holding companies are treated as SIFIs; in addition, as I mentioned, the act gives the FSOC the power to designate individual nonbank financial companies as systemically important. 

「インフレ率の低下が好ましくない理由」(第1章)の誤植訂正

第1章 「インフレ率の低下が好ましくない理由」の誤植を訂正させていただきます。

  • (pp.18の後ろから4行目の小見出し)「インフレによって物価の安定が達成された」⇒(訂正)物価の安定が達成された
  • (pp.21の後ろから2行目)「5月6日の声明発表後にまもなくして、」⇒(訂正)「5月6日の声明発表後間もなくして、
  • (pp.22の前から3行目の小見出し)「インフレの大幅な低下を避けるために考えなければならないこと」⇒(訂正)「インフレの大幅な低下をめぐって考えなければならないこと」 
  • (pp.25の前から2行目)「計測されたインフレ率は、真の物価上昇よりも高めに誇張してしまう傾向にありますが、」⇒(訂正)「計測されたインフレ率は、真の物価上昇よりも高めに誇張される傾向にありますが、」
  • (pp.27の後ろから5行目)「積み上がった株主資本(エクイティ)をクレジットカードローンなどの債務の返済に~」⇒(訂正)「積み上がったエクイティ<担保となっている住宅の市場価格から住宅ローンの未返済残高を差し引いた純資産額のこと>を現金化してクレジットカードローンなどの債務の返済に~」
  • (pp.30の前から7行目)「総需要が減少し、そのために過剰な供給能力の規模が一層拡大する可能性~」⇒(訂正)「総需要が減少し、そのためにスラック(過剰な供給能力)の規模<GDPギャップのこと>が一層拡大する可能性~」
  • (pp.31の前から1行目)「第2に、過剰な供給能力と、デフレの進行との間のつながり~」⇒(訂正)「第2に、スラック(あるいはGDPギャップ)とデフレの進行との間のつながり~」
  • (pp.31の後ろから2行目の小見出し)「インフレの大幅低下を避けるために――金融政策を重要視せよ」⇒(訂正)インフレの大幅な低下を防ぐことが金融政策の最優先事項

pp.31の訂正箇所にある「スラック(あるいはGDPギャップ)とデフレの進行との間のつながり」というのは、具体的には、GDPギャップが広がると(総需要と総供給との差が広がると)物価に一層の低下圧力がかかる、という影響関係のことを指しています。
本文では、日本の例をひいて、「スラック(あるいはGDPギャップ)とデフレの進行との間のつながりは、それほど強固なわけではありません」と語られていますが、その意味は、GDPギャップが埋まらなかったりあるいは広がったりしてもデフレが急速なペースで進行することはない(物価は穏やかなペースで下落する傾向にあり、加速的な下落を見せる傾向にはない)、ということです。

2013年5月24日金曜日

サポートブログ開設

この度、ベン・バーナンキ著/高橋洋一監訳・解説 『リフレが正しい。FRB議長ベン・バーナンキの言葉』(中経出版、2013年5月24日発売)の翻訳に協力させていただきました。本書は、現FRB議長であるベン・バーナンキ(Ben Bernanke)がFRB理事ならびに議長の立場で行った一連の講演(+α)を翻訳したものとなります。


私が担当した翻訳は以下になります。

◎「インフレ率の低下が好ましくない理由(一部カット)」(第1章)
  • (原文)“An Unwelcome Fall in Inflation?”(Before the Economics Roundtable, University of California, San Diego, La Jolla, California, July 23, 2003)

◎「金融政策の長期的な目標と戦略」(第5章)

◎「アメリカ経済は今後どうなるか?」(第6章)

なお、“An Unwelcome Fall in Inflation?”に関しては高橋洋一氏による既訳があることを申し添えておきます(『リフレと金融政策』(日本経済新聞社、2004年)所収「インフレの好ましくない下落?」)。

このブログでは、私が担当した翻訳に関連したサポートを可能な限り提供させていただく予定です。誤植や誤訳等が見つかり次第、その都度ご報告させていただきます。読者の方で何かお気付きの点がございましたらコメント欄でその旨をご指摘いただけると幸いです。

optical_frogさんによるサポートページもあわせてご参照ください。


(追記)編集の過程で(越権行為よろしく)チェックさせていただいた以下の章に関してもこのブログでサポートを提供させていただきます。

◎「中央銀行の独立性とは何か?」(第4章)

◎「日本の金融政策、私はこう考える」(第7章)
  • (原文)“Some Thoughts on Monetary Policy in Japan”(Before the Japan Society of Monetary Economics, Tokyo, Japan, May 31, 2003)
  • (既訳あり)ベン・バーナンキ著/高橋洋一訳 『リフレと金融政策』(日本経済新聞社、2004年)所収「日本の金融政策に関するいくつかの論考」

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