2013年5月25日土曜日

「中央銀行の独立性とは何か?」(第4章)の誤植訂正

第4章 「中央銀行の独立性とは何か?」の誤植を訂正させていただきます。

  • (pp.136の前から1行目の小見出し)「中央銀行の「独立性」が見直されつつある」⇒(訂正)中央銀行が保持する制度面での強み--「中央銀行の独立性」
  • (pp.140の後ろから5行目) 「通常、中央銀行は、より長期的には、低いインフレ率を維持することにコミットします。中央銀行は、常日頃より、「長期的に見てインフレが低い水準で安定するように努めます」との約束を行っています。」⇒(訂正)中央銀行は、常日頃より、「長期的に見てインフレが低い水準で安定するように努めます」との約束を行っています。
  • (pp.142の後ろから5行目の小見出し)「中央銀行の独立性は経験と歴史によって証明されてきた」⇒(訂正)「中央銀行の独立性の有用性は経験と歴史によって証明されてきた」
  • (pp.143の後ろから5行目)「独立性が民主主義に照らして正当化し得るためには、」⇒(訂正)中央銀行の独立性が民主主義の観点に照らして正当化されるためには、」
  • (pp.144の前から5行目)「金融政策の決定に関して、中央銀行に付与されている独立性が、」⇒(訂正)「金融政策の決定の面で中央銀行に付与されている独立性が、」
  • (pp.144の後ろから2行目)「銀行システムの規制および監督活動に取り組む上では、「中央銀行は同様の活動に従事している他の官庁と同等程度の独立性を享受すべき」ですし、「中央銀行は同じ活動に従事する他の機関と同程度の独立性を享受すべきだ」と考えられます。」⇒(訂正)銀行システムの規制および監督活動に取り組む上では、中央銀行は同じ活動に従事する他の機関と同程度の独立性を享受すべきだ、と考えられます。
  • (pp.146の後ろから5行目)「たとえば、システミック上、重要な企業が破綻した場合の救済方法に関して~」⇒(訂正)「たとえば、「システム上重要な企業」が破綻した場合の救済方法に関して~」
  • (pp.147の前から8行目)「ここにきて、伝統的な金融政策が限界に達してしまったことにより、近年、先進各国の中央銀行が、相次いで~」⇒(訂正)「ここにきて(「、」を削除)伝統的な金融政策が限界に達してしまったことにより、(「近年」を削除)先進各国の中央銀行が(「、」を削除)相次いで~」
  • (pp.148の後ろから3行目の小見出し)「中央銀行の独立性の歴史的進化」⇒(訂正)中央銀行が独立性を獲得するまでの歴史的な歩み
  • (pp.150の後ろから5行目)「ECB(欧州中央銀行)が設立されることになりました。その設立以前の時点で、中央銀行の独立性は極めて重要なものだと見なされていたのです。」⇒(訂正)「ECB(欧州中央銀行)が設立されることになりましたが、その設立以前の時点で、中央銀行の独立性は極めて重要なものだと見なされていました。」
  • (pp.153の前から3行目の小見出し)「FRBの重要性」⇒(訂正)「FRBの独立性の重要性」
  • (pp.156の後ろから4行目)「これら主要な経済指標の、長期的な収束値に関する~」⇒(訂正)これら主要な経済指標の(「、」を削除)長期的な収束値に関する~」
  • (pp.157の前から5行目)「たとえば、FRBのバランスシートの情報に加えて、金融市場に流動性を供給するために特別に設けられた方法に関する~」⇒(訂正)「たとえば、FRBのバランスシートの情報に加えて、金融市場に流動性を供給するために特別に設けられた方法(ファシリティー)に関する~」
  • (pp.158の前から5行目)「それは、今度もこれまでと同様に、「金融政策の決定が、短期的な視野に陥りがちな~」⇒(訂正)「それは、今後もこれまでと同様に、「金融政策の決定が、短期的な視野に陥りがちな~」
  • (pp.159の前から3行目)(原註1)「FRBが各国中央銀行(ECB、カナダ中央銀行、BOE、スイス銀行)との間でドル資金の融通をめぐる通貨スワップ協定を一時的に再締結」⇒(訂正)「FRBが各国中央銀行(ECB、カナダ中央銀行、BOE、スイス銀行)との間でドル資金の一時的な融通をめぐる通貨スワップ協定を再締結」
  • (pp.159の前から6行目)(原註1)「FRBが日本銀行との間でドル資金の融通をめぐる通貨スワップ協定を一時的に再締結」⇒(訂正)「FRBが日本銀行との間でドル資金の一時的な融通をめぐる通貨スワップ協定を再締結」

pp.146の訂正箇所で出てくる「システム上重要な企業」というのは、「Systemically Important Financial Institutions」のことで「SIFIs」と略されることもあります。経営破綻した場合に金融システムひいては実体経済に大きな悪影響を及ぼす可能性がある金融機関のことであり、「大きすぎて潰せない」(too big to fail)あるいは「関連しすぎていて潰せない」(too interconnected to fail)ような金融機関を指しています。
「システム上重要な企業」の問題については、バーナンキがつい先日行った以下の講演でも取り上げられています。

●Ben Bernanke, “Monitoring the Financial System”(At the 49th Annual Conference on Bank Structure and Competition sponsored by the Federal Reserve Bank of Chicago, Chicago, Illinois, May 10, 2013)

この講演では、「システム上重要な企業」は次のように特徴付けられています。
「システム上重要な金融機関(SIFIs)」とは、経営悪化や経営破綻が生じた場合に金融システムに対して広範な不安定性をもたらし、そのことを通じて実体経済に対して重大な損害を及ぼす可能性のある金融機関のことを指しています。SIFIsは概して規模が大きな傾向にありますが、ある企業がシステム上重要であるかどうかはその規模だけによって決まってくるわけではありません。金融システムと深いつながりをもっていたり、その業務内容が複雑で不透明であったりする企業もシステム上重要な企業と判断される可能性があります。また、リスクテイクの性質やその程度、レバレッジの程度、短期資金への依存度合い、国境を越えた取引にどれだけ関わっているか、などどいった要因もある企業がシステム上重要であるかどうかを判断する上で重要です。ドッド=フランク法(Dodd-Frank Act)では、大手銀行持株会社がSIFIsとして取り扱われています。さらに、同法では、金融安定監督協議会(Financial Stability Oversight Council;FSOC)に対してノンバンク金融会社をシステム上重要な企業として指定する権限が付与されてもいます。
SIFIs are financial firms whose distress or failure has the potential to create broader financial instability sufficient to inflict meaningful damage on the real economy. SIFIs tend to be large, but size is not the only factor used to determine whether a firm is systemically important; other factors include the firm's interconnectedness with the rest of the financial system, the complexity and opacity of its operations, the nature and extent of its risk-taking, its use of leverage, its reliance on short-term wholesale funding, and the extent of its cross-border operations. Under the Dodd-Frank Act, the largest bank holding companies are treated as SIFIs; in addition, as I mentioned, the act gives the FSOC the power to designate individual nonbank financial companies as systemically important. 

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